- 院長コラム
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NO.4 脳の構造と新脳針について
NO.4 脳の構造と新脳針について
今回は脳から発する運動系神経の動作・運動についてお話し致します。
運動に関する神経は脳にある大脳皮質の頭頂部にある運動中枢や頭の後ろにある小脳が主な発信場所となります。
小脳の働きは平衡感覚の中枢としてバランスを保ったり意識して行う運動(随意運動)の調整をしたりすることが知られています。
平衡感覚については耳にある感覚器から情報を受けて、眼球運動と平行運動に指令を出します。例えば揺れる電車の中で姿勢が崩れそうになった時など、とっさに動く事に対して身体全体が協調し不安定な状況に反応する事が出来るのは小脳の機能が働いている事なのです。つまり無意識に身体を立て直すことが出来るのは小脳の働きによるという事です。
そして近年の研究では小脳は動きとセットして記憶・学習もしているのです。
幼い頃や学生時代にスポーツ(競技や球技など)をしていた頃の動きを小脳は覚えているため、いざという時、瞬時に身体が反応するのは小脳が動きを覚えているからなのです。当院独自のリセプター療法は、ブランコやミニハードル、バランスボールなど、いろいろな運動器具や用具・遊具を使用しその物体を見て考えて、バランスを取りながら動く事を身体に伝えさせます。
運動とはその状況を判断した後に、素早く脳からの指令を身体の位置情報を察知し、各関節などにある固有感覚(位置や距離・長さ・方向など)を筋肉・靭帯にあるリセプター受容器で指令を受け取り身体バランスが保つように反応させます。小脳やその周辺の脳が変性(萎縮)する症状で『小脳変性症・SCD』『多系統萎縮症・MSA』という病気があります。
遺伝性や後天性、年齢と共に発症などいろいろなタイプがあり、平衡感覚が弱くなりまっすぐに歩けない、物がスムーズに取れない、目的のところまで移動できない、また会話での呂律が回りにくい…などいろいろな運動機能ができにくくなります。新脳針は小脳の平衡中枢(後頭部周囲)と運動中枢である運動区(頭頂部周辺)に刺鍼し0.7mmAの微弱電流を注入いたします。
頭部への刺鍼・微弱電流刺激は大脳の神経細胞の活動に蓄えられていて可動する可能性があります。
たとえ小脳がこれらの病気でダメージがあり、新たな学習能力が欠けているとしても大脳からの運動指令でカバーする可能性も考えられます。また脳は正しい動きを学習し間違った動作や動きの神経回路は消していく性質があります。
その為正しい動きを上書きさせる為にもリセプター療法を進めて行きます。新脳針とリセプター療法の併用で過去の記憶運動を呼び起こす可能性があります。
Mさん 女性 52歳 多系統萎縮症と診断
学生時代にバレーボール部に所属、水泳、ジョギング、ハイキングなど活発に運動されていました。
徐々に下肢と体幹バランス・ふらつきが悪くスムーズな歩行できなくなってきました。
宿泊集中治療で新脳針+3つのプログラムを繰り返し受けていただき、その都度宿泊1週間の後半には来院時より歩行やバランス力を取り戻し正しい運動を覚えてお帰りになります。当院に通うYさん56歳男性
小脳変性症(SCD)は歩行時のふらつきや手指の動きが鈍く、会話は呂律が回りにくい症状が出ています。
この患者様に対して新脳針+指頭感覚法を施術し口内から頬筋肉のストレッチ、唇から頬内筋のマッサージ、舌の伸展や抵抗運動などあらゆる指頭刺激を与えています。
今ではかなり口の動きがスムーズになり舌の出し入れの不安定な動きも解消され会話が聞き取りやすくなってきました。私たちはただ新脳針やプログラムを施術するだけではなく、ご本人の前向きな気持ちが大切だと考えています。つまりご本人が病気と向き合いご自身の身体を意識し残された能力にも注目し如何に動作と機能を身に着けていただけるよう取り組んでいきたいと考えています。
どうぞあきらめないで、自分の持つ潜在能力と新たな神経ネットワークに期待して新脳針+3つのプログラムを是非受けてみてください。
一緒に頑張りましょう。
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